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れい華コンビの真骨頂~花組公演「NICE WORK IF YOU CAN GET IT」感想~

「NICE WORK IF YOU CAN GET IT」(通称:ナイワ)は、公演の先行画像?が発表されたときから、それはもう楽しみにしていた公演だったのでほんっとうにみれてよかったです~~~!!!コロナがなければ夏にやる予定だったんですよね…はぁでもとにかく公演が無事千秋楽を迎えられて、また珍しく!版権が取れてブルーレイまで出るなんて!!!幸せも極みです!!!千秋楽からだいぶたってしまいましたが、感想だけ言わせてください!!!

以下、ネタバレありの感想をつらつら書きます。ご注意ください。

 

 

「NICE WORK IF YOU CAN GET IT」

 

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まず、このポスターね。もうこれにすべて詰まってますよ…

 

いやぁ、このブログのタイトルにもしましたが、れい華コンビの真骨頂!ですよねこの作品…素晴らしかったです。

 

お話自体取っ散らかりすぎてもうどこから書いていいかわかりませんが簡単にあらすじを…

 

舞台は禁酒法時代のニューヨーク、ロングアイランド。贅沢三昧、苦労知らずのプレイボーイであるジミーは、四度目の結婚を明日に控えて独身最後の夜を楽しんでいたところ、一見ボーイッシュな風体ながらも実にチャーミングな女性ビリーに出会う。ところが彼女の正体は酒の密輸を企てるギャングの一味。そうとも知らずビリーに惹かれてゆくジミー。そんな二人が巻き起こす愉快な大騒動の行方とは……。
アメリカ音楽界の至宝、ガーシュウィン兄弟の珠玉の名曲に乗せて、個性豊かな登場人物が織り成すロマンティック・コメディ。2012年のブロードウェイ初演時には、マシュー・ブロデリック、ケリー・オハラら豪華キャストによる出演でも話題を呼び、その年のトニー賞10部門にノミネートされました。
柚香光率いる新生花組が挑むブロードウェイの名作ミュージカル。宝塚歌劇バージョンとして新たな演出でお贈りする、その軽快でハートウォーミングな舞台にどうぞご期待ください!

kageki.hankyu.co.jp

ざっとしたあらすじはこんな感じです…

 

まずね、プレイボーイジミー役を柚香光さんが…ボーイッシュな女性ビリー役を華優希さんが…こんなんなんぼあってもええですからね……

 

冒頭、ジミーはもう登場シーンから酔っぱらっちゃって大変なことになってるんです。が、それでも素晴らしくカッコイイのが柚香さんのすごいところです。

そして、華さんは宝塚の娘役にはあまりないスタイルの、ガニ股で煙草をくわえながら座って登場という…!!!でも、これまたかわいらしいのが華さんのすごいところです。

 

二人は紆余曲折あり、互いにひかれあっていくのですが、なんといってもその演技が丁寧なんですよね。ジミーは4度目の結婚だし、贔屓目に見てもクズ男なのですが、ビリーに対しては、割と序盤から惹かれているのを柚香さんが視線などで丁寧に演技してらして、恋に落ちているのがわかるんですよね。

対するビリーも、そんなとんでもないジミーにどうしようもなく惹かれていく様子がこれまた演技が細かくて、特に困ったようにそれでも愛おしく見つめている華さんの視線が印象的でした。

 

二人の大ナンバー「スワンダフル」の場面は、恋に落ちていく様子をタップで表現していて、二人とも心の底から幸せそうに踊って歌っている姿に、もう泣けて泣けて…演者さんがこんなにも楽しんでいるのが役と繋がって、ダイレクトに客席にも伝わってきて、全く涙のシーンではないのに、毎回号泣でした(笑)

 

また、お二人だけでなく、周りの方々も個性が豊かすぎるほど豊かでコメディ!!!という圧が素晴らしかったです。特に永久輝さんのアイリーン役!通常、男役さんのする女性役ってどうしてもあぁ男役さんだなと思うことが多いですが、アイリーンは本当に違和感なく、歌も難しそうなのにとてもお上手でビックリしました!見た方はわかると思いますが、あれだけずっと様子がおかしい役ってなかなか難しい気がしますが((笑)、本当にアイリーンとして存在しているのがすごかったです。また、こういう言い方好きではないですが、いわゆる"嫌な女"からあの役をアプローチする方もいると思うんですよ。でも、永久輝さんはそうではなくて、アイリーンの可愛らしさ、人の好さ、育ちの良さを丁寧に考えて演じていたように思います。だから、あれほど印象的で愛されるキャラクターになったのだろうなと。

 

そして、密売トリオのクッキー:瀬戸かずやさんとデューク:飛龍つかささん

このお二人も最高にハマっていて素晴らしかったです!特にデュークとジェニー:音くり寿さんのコンビが大好きです。後半に、デュークがジェニーに愛の言葉を並べる曲があるのですが、デュークのジェニーに対するまっすぐな気持ちがこれでもかというくらい伝わってきて、毎度泣いていました(笑) 自分の歌のうまさをアピールするような歌い方をされるかたもいますが、飛龍さんの歌は役の感情に乗せてそれでいてとても響く歌声で、本当に役として歌っているのが伝わってきました。音さんはショーガールとして真ん中で踊られる場面が多くて、嬉しかったです!

そして、ここで本筋とは離れてしまうのですが、ちょうどこのブログを書いているタイミングで瀬戸かずやさんの退団発表がありましたので、瀬戸さんの話をさせてください。今回のクッキー役も相ですが、瀬戸さんの演じられるキャラクターには、きっと本人から滲み出される温かさがあるように思います。クッキーも居方がなかなか難しい役だと思うのですが、ジミーとビリーの二人を見守るように、それはまるで中の人とリンクするかのように演じてらっしゃって、大好きな役でした。舞台上で渋い男役を体現する瀬戸さんも大好きですが、オフ姿のみんなのお兄さんのような瀬戸さんも大好きで、特に瀬戸さんのブリドリ!数あるブリドリシリーズの中でも、私が最も好きで何回も見返している伝説の回なんです。

www.tca-pictures.net

花組トップと二番手スターさんになるなんて、この時のだれが予想したでしょう。

無邪気にはしゃぐ下級生時代の柚香さんのわんぱくっぷりと、隣で上品に、でもどこか天然で面白い桜咲彩花さん、オムライス筋を持つほどのオムライスプロ瀬戸さんの頼れる兄貴っぷりが堪能できる神回なので、ぜひ機会があればご覧ください!きっとスカイステージでも放送されると思うのですが…

 

 

話があっちこっちいってすいません。ナイスワークの話に戻りますと、脇を抑える魅力的なキャラクター達ですが、やっぱりなんといっても真ん中の二人が最高にハマり役だったと思うんですよね。私はずっとれい華コンビでミーアンドマイガールを見たいと思ってたんです。とってもお似合いだと思うので!公演ではかないませんでしたが、タカスペで叶ってそれはもう宝物なのですが…ナイスワークもミーマイに似てハッピーブロードウェイミュージカルで、それでいて切なさも少し入っているという、まさに私がれい華コンビで見たかったドンピシャな作品だったんです!また、アーネストインラブという私の大好きな作品があるのですが、ナイスワークはまさにミーマイとアーネストインラブを足して割ったような作品で、自分の夢が叶いました(泣)

 

 

この作品は、ただただハッピーどんちゃん騒ぎミュージカルにすることもできたと思うんです。でも、柚香さんと華さんはそうはしなかった。丁寧にビリーとジミーという人物を演じきったと思うんです。二人が抱えるいろいろなものが、作品に厚みをもたらしてくれたと感じました。それも、お二人のお芝居の向いている方向が同じというか、うまく言葉では表現できませんが、お二人のお芝居って相乗効果が凄いと思うんです。相手が出してきた倍の力を出して、高めあっているというか…

ナイスワークの2幕にビリーがジミーとの身分差に恋を諦めて、「もういいよ…」というシーンがあるのですが、諦めて笑うジミーとそれを見て自らのどうしようもなさから自然と苦笑するジミーがもう…千秋楽に近づくほど、二人のすれ違いが痛いほど伝わってきて、お二人の演技のすさまじさを感じました。

 

こんなに最高のトップコンビなのに7月には華さんの退団が決まっているという…

あまりにも現実がつらいです…それでも、れい華コンビの最高のお芝居と最高の幸せをいただいたこの公演は一生大好きで大切な作品になりました!!!

お二人で見ることが出来てよかったです!!! 

なんだかうまくまとめられませんでしたが、次回の花組公演、れい華コンビとしては最後の公演もとっても楽しみにしています!

kageki.hankyu.co.jp

 

華優希さんが退団されるその日まで、全力でれい華コンビを追いかける所存です…!!!